バッターボックスに入ったら見送り三振だけはするな – 留学経験者インタビュー:矢本洋介さん

留学経験者インタビュー 矢本洋介さん

留学経験者インタビュー:矢本洋介さん

目次

留学のきっかけは海外で働く伯父の後押し
挫折を乗り越え、果敢にトライして今がある

— 留学経験を教えてください。
矢本さん:私は兵庫県出身なのですが、兵庫の高校を卒業した後に、ハワイとカナダに2年間ずつ行ってきました。

— 留学されるきっかけは何だったのですか?
矢本さん:きっかけはですね…。今思い返すと、あまり良いきっかけではなかったかもしれないですね。そんなに勉強好きなタイプじゃなかったんですよ。圧倒的に国語ができるとか、数学ができるっていう学生ではなくて、強いて言うと英語がまだ好きかな、と。点数もトップではないですけど、平均よりはまぁまぁ上で、好きなものを伸ばそうかなというところが大きかったのが一つですね。最初は日本の外国語大学とかへの進学も検討していたのですけど、そこで背中を押してくれたのが母方の伯父で。何十年とシンガポールで仕事をしていて、男という事もあってか「若い時に洋介外に出たら?」って、私の母に言ってくれたんです。

— 実際に行かれて、英語が好きとはいえ現地に行くと、どちらかというと喋れない部類になるじゃないですか? 最初の頃どうだったのですか?
矢本さん:本当に失敗の連続でした。マクドナルドでビックマック一つ注文できない、発音が悪くて。「This, this(これ、これ)」っていうところからのスタートでした。なので、最初はもう話せないような恥ずかしい話とか、失敗、挫折経験もありましたけど、でもみんな一緒なんですよね。果敢にトライして、その日にできなかったことを、せめて次の日にはできるようになろう、と。メモをとるなり簡単な努力をして、その連続の延長にようやく今がある、そんな状況ですね。

留学経験者インタビュー 矢本洋介さん

留学生を歓迎してくれる企業に絞って就活
希望が叶った反面、「これでいいのか」という葛藤も

— 卒業されて日本に帰ってきてから、就職活動はどうされましたか?
矢本さん:基本的な就職活動のステップって、エントリーシートを送って、一次(試験)が通るとテストを受けて、それを通ると面接に来てねってなりますよね。最初のエントリーとSPI等はなんとかなるんですけど、その後の面接となると、当時はビデオカメラ等を使ったWeb面談がまだ主流でなかったので、(当時はカナダ在住だった為)日本とカナダを行き来しなくてはいけませんでした。往復代でもバカにならないんですね。親に膨大な留学費を支払ってもらってるという後ろめたさもあったので、正直勝てない勝負をしないというとダサいんですけども。採用の可能性が5%の企業に往復10万以上×面接4回も行きますか? と。それを20社受けるだけで何百万とか…、その勇気はさすがになくて。

色々勘案した結果、面接1回でいいよと言っていただける中小企業を中心にシフトしました。企業のブランドとかお給料とかよりも、留学生という人材を歓迎してくれる会社とか、働きやすさ、オープンな関係や風土が醸成されてる企業に絞って活動していましたね。

— 留学生として日本の企業に入って職場の環境どうでしたか?
矢本さん:良い面と悪い面、両方ありました。いわゆる中小企業のアメリカの運送業の会社に入って、輸出のオペレーション業務に携わる仕事だったんですけど。良い面でいうと、留学生が他にもいて社長も留学経験があって、そういったところに理解がある職場だったので、スッと入れて馴染めました。上下関係が、日本なのでゼロではないのですけど、ほぼないに等しいぐらい先輩後輩の距離が近くて、平等だったんですね。服装もスーツではなく、私服、それもデニムとかですよ。なので、ものすごくフラットで楽で心地が良かった。これは間違いなくプラスでした。

一方で、あえてネガティブなことを申し上げると、私の就職同期というんですかね。普通に日本の大学を卒業して、私と同時期に企業に入った友人を見てると、みんなリクルートスーツばっちり、ネクタイビシッと。で、名だたる企業に入って手厚い研修を受けて、社会人の企業戦士として育っているのを横目で見て、「俺これでいいんかな」って思ったことですね。働きやすさはありましたが、日本のサラリーマンとして正しい道を踏んでいるんだろうかっていう葛藤を抱いてました。

もちろん悪いことではないと思うんです。別にみんながみんな、そんなスーツを着てレールの上を走ることが働き方ではないと思うので。今だから言えるんですけど、当時は世界を見てない中での不安というか、日本の会社員のスタンダードってなんだろうというのをすごく考えて、意識していましたね。

留学経験者インタビュー 矢本洋介さん

留学経験を過信せず、謙虚でいることが大事
バッターボックスに入ったら見送り三振だけはするな

— 今人材育成の部門でご活躍されていると思うんですけど、その中には留学生っていらっしゃいますか?
矢本さん:えぇ、今の会社にはおりますね。

— 実際企業側の人間として、留学経験者をどう見ていますか。
矢本さん:これも、いい感じで留学経験を発揮されている方と、そうじゃない方、両方いらっしゃると思っています。あまり偉そうなことは言えないんですけど、経験を発揮されている方って、例えば語学力だけではなくて、現地で培った広い視野や対人能力、コミュニケーション能力、相手の気持ちを斟酌読み取ってフレキシブルに立ち振舞える方。そういった方はすごく魅力的です。もちろん日本という国で育った方も全く同じで、そうしたスキルを有している方いると思うんですけども、若い時に外に出て、揉まれて、答えがない中自分で判断をして進んできた方っていうのはすごく強いですし、芯がありますよね。そういう方とは一緒に仕事をしててエネルギーをもらえるし、魅力的だなって感じます。

一方で、留学経験者の中には「俺、留学経験者だぜ」っていう自信というか、過信に近いものを前面に押し出している方もいらっしゃいます。英語は確かにできるんでしょう、多分。ただ、俺は留学経験があるっていう(上から目線の)ポジンションから話しをするので、どうも鼻につく瞬間があったりしますね。あとは、客観的に見ると英語能力以外で何が優れているの?って、冷静に見たときにですね、やはり企業側としても英語以外のものも大事になってきますよね。なので、謙虚であるっていうのは、一つ大きなボーダーかなとは思います。

— 留学経験者のアドバイスをお願いします
矢本さん:大切なことの一つは、良質な経験の量ですかね。もう一つは、感謝の気持ち。前者の良質な経験というのは、私自らが体験した修羅場体験みたいな場面のことです。先ほど少しお話した、答えがない中で自分で考えて判断をして、勇気を持って一歩踏み出すっていう経験を、どれぐらいの量を行ったのかが大切だと思います。その中で初めて何がよかったのかっていうのが検証できますし、勇気も出てくるし、それがとても大きいと思います。感謝という点では、やはり自分一人の力で成し遂げたことではなくて、親の後押しとか、いろんな方の助けがあって留学っていう行為に及ぶことができたので、その気持ちを持っていると謙虚になれる。謙虚になれるが故に、いろんなことに前向きになって、どんな人からもどんな経験からも学ぼうっていう気持ちになれるんですよね。そうなってくると、先ほど申し上げたいい能力を発揮している留学生に一歩近づくんじゃないのかな、と思いました。

すごく大事にしていることがあって、例えば野球とかですと、バッターボックスに入ったら見送り三振だけはするな、と。いいんですよ、振って空振りして、ダサくても。ただ振らないっていうのは、やっぱり振ってきた方と比べると、圧倒的に違うと思います。今30歳を超えて、若い方と話をしていても、良質な経験がある方の方が圧倒的に人間としての魅力、心の器っていうんですか、が違いますね。なので、やはり経験量っていうのはすごく大事だと思います。

 

留学経験を活かせる仕事へ エントリーフォームはコチラ

関連記事

  1. 留学経験者インタビュー 大金リサさん

    幸せになるためにはまず行動すること – 留学経験者インタビ…

  2. 留学経験者インタビュー 劉霏々さん

    外国企業で働くことで自分の可能性を発見できる – 留学経験…

  3. 留学経験者インタビュー 佐久間理恵さん

    留学経験は時に逆境を招く、それを乗り越える度胸も必要 – 留学経験者イ…

  4. 留学経験×仕事 就業者インタビュー 吉田さん

    【留学経験×仕事】就業者インタビューVol.1 – 吉田さ…

  5. 留学経験者インタビュー 黒川ゆうさん

    留学した人の良さはネガティブさがないところ – 留学経験者…

  6. 留学経験者インタビュー 臼井彩香さん

    留学で得たものはデメリットにならない – 留学経験者インタ…